地下鉄のホームレス「移動を NY市交通局長が駅長に指示

【22日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨーク市交通局のアンディー・バイフォード局長は22日、ニューヨーク州都市交通局(MTA)の地下鉄駅長らに対し、地下鉄駅構内や列車内で他人に迷惑をかけているホームレスを移動させるよう命じた。ニューヨーク市警察(NYPD)や市ホームレス事業局、地域団体などとの連携も深める。
同局長はこの日、ホームレスの攻撃的で不愉快かつ反社会的な態度は問題だとして「これ以上は我慢できない」と述べた。ただし冬の最中、列車内で暖を取るのは構わないとした。
今年1月の市の調査では、地下鉄の列車で寝泊まりするホームレスは1771人と、昨年2月調査時の1812人より2.3%減少していた。しかし乗客からは「ホームレスに押された」などの被害報告が後を断たず、「列車を寝室やトイレ代わりに使うのは許容すべきではない」などの声もある。MTAのスーザン・メッズガー理事もホームレスの存在で「地下鉄改善努力が無になる恐れがある」と懸念する。
一方で、MTAのチャールズ・モエドラー理事は、ホームレスも個人として尊重すべきと反論。「(ホームレスに対する)思いやりのない、乱暴な対策は悲惨な結果を招く」と主張した。バイフォード局長はこうした批判も認め、地域団体などには温情的な対応を取ることを約束している。