CNNに爆発物、クオモ氏ら宛ても 市長「明らかなテロ」

【24日付CNN】24日、マンハッタン区のコロンバスサークルにあるCNNニューヨーク支局に爆発物が郵送された。ジョン・ブレナン元中央情報局(CIA)長官に宛てられたものだという。同日、ニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事も事務所に不審物が届いたことを明かした。オバマ前大統領、クリントン元国務長官、エリック・ホルダー米元司法長官、マクシーン・ウォーターズ下院議員などに宛てても同様の不審物が届いている。

CNNニューヨーク支局のあるタイム・ワーナー・センター前。ニューヨーク市警察(NYPD)の爆弾処理班が出動し、一帯は一時通行止めとなった。ビル・デブラシオ市長=中央=は報道陣を前に「これは明らかに、報道の自由と米国の指導者を暴力によって弱めようとするテロ行為だ」と述べた (photo: Michael Appleton/Mayoral Photography Office)

「ホワイトハウスは白人のためのもの」 ニューヨーク市民も批判
 コロンバスサークルにあるCNNニューヨーク支局では、ニューヨーク市警察(NYPD)が建物からの退避を命じるなど一時、騒然とした雰囲気に包まれた。
 本紙の取材に、ジョン・ジェイ・カレッジ・オブ・クリミナル・ジャスティスでスペイン語を学ぶブラッドリー・アルバドールさん(22)は「(ニューヨーク市では)クレイジーなことがいっぱい起きているから、何が起きても驚かない」と答えた。州保護観察官を40年近く務めた市内在住のハロルド・ブリッジさん(70)は、「(トランプ氏が大統領に就任してから)この国は分断されてしまった。ホワイトハウスは書いて字のごとく、白人のためのものだ」と皮肉った。市内に住むオクタビア・ストリッジスさんは「60年代(の爆弾闘争)を思わせる。異なる政治信条を持つ者との間で緊張が高まっている」と話した。
 同支局前で行われた記者会見でNYPDのジェームズ・オニール本部長は、郵送物を「爆発物」と断言。適切に処理されたとしている。併せて白い粉の入った封筒も届いたといい、中身を捜査中だという。
 デブラシオ市長は「暴力や憎しみ、メディアに対する攻撃を奨励してはいけない。意見の相違を平和に解決しなければならない」と訴えた。クオモ知事は「できる限りの予防措置を講じる。テロが勝つ日は来ない」と力強く述べた。

報道陣でごった返すCNNニューヨーク支局前
=24日撮影(photo: Asami Kato / 本紙)