【25日付ウォール・ストリート・ジャーナル】クイーンズ区フラッシングのデイケアで乳児など5人が刺傷した事件から約1カ月。逮捕されたアジア系の女は精神疾患を患っていたにもかかわらず、弁護士によると適切な診断や治療がなされていなかった。ニューヨーク市を拠点とする非営利団体、アジアン・アメリカン・フェデレーション(AAF)は、市にアジア系住民のためのメンタルヘルス(心の健康)施設が不足していると訴えている。
市におけるアジア系の人口は増加を続け、全人口の14%に達した。しかしAAFの事務局長ジョ=アン・ユーさんは、アジア文化に精通したカウンセラーの数が足りないと指摘。アジア文化に配慮した施設でも診察の待ち時間は数週間におよぶという。また 市は「スライブNYC」プログラムとして精神疾患の問題に取り組むが、その核となる電話相談サービスにアジア系住民には浸透していないという。ユーさんは「アジア系コミュニティーへの支援は非常に限られている」と訴えた。
市保健精神衛生局の統計によると、アジア系および太平洋諸島出身の住民の死亡理由で最も多いのは自殺。アジア系住民の半数は英語力が乏しいという。