【27日付デイリービースト】カルト映画館として知られた、ブルックリン区ウィリアムズバーグのビデオロジーが28日閉店、地元ファンに惜しまれている。
同映画館の経営者、ジェームズ・リートさんとウェンディー・チェンバレンさんは「閉店は自発的」として、経営難や家賃高騰が理由ではないと説明する。しかし、同映画館のイベント担当のフィレスト・カルダメニスさんは「ニューヨークは金持ちのための遊び場になりつつある」と、高級コンドミニアムが林立し、大手チェーン店が次々と開店する中で、同映画館のように地元密着型の店の居場所は少なくなっていると話す。
ビデオロジーは15年前にレンタルビデオ店として開業。2012年からは、席数40ほどのスペースを設けてカルト映画を上映。バーも併設し、上映時間以外も映画ファンが「入り浸る」場所として知られた。関連イベントも開催し、映画の雑学的な知識を競う火曜のトリビアナイトは人気だった。
女性が主役の映画も積極的に取り上げた。今年8月には歌手のブランディ主演のテレビミュージカル「シンデレラ」(1997年)を上演し、観客も一緒に歌えるようにしたところ、毎回も売り切れとなったという。
マンハッタン区のサンシャインシネマやリンカーンプラザシネマなど、市内では近年、独立系映画館が次々に閉店している。