【1日付ウォール・ストリート・ジャーナル】糖尿病を患うニューヨーク市の生徒3人および非営利団体、米糖尿病協会は1日、糖尿病の生徒の教育を受ける権利を侵害したとして市教育局を相手取り、ブルックリン区連邦地方裁判所に集団訴訟を起こした。糖尿病の生徒が安心して公立校に通えることと、教育への機会均等を求めている。
訴状によると、今年6月に1型糖尿病と診断された市内の公立校に通う男児(4)の保護者は、新学期開始前に児童の病状とケアが必要な旨を学校に伝えていた。しかし9月に登校してみると看護師は産休中で不在。臨時の看護師は毎日代わり、血糖値監視装置やインシュリンポンプなどケアに必要な糖尿病用機器の使用法を誰も知らなかったという。
連邦法と市条例では、生涯にわたる疾患である糖尿病は身体障害とみなされる。そのため血糖値の測定やインシュリンの投与など、糖尿病治療を熟知した看護師がケアに当たれる管理計画を立て、緊急時にも対応できるよう環境を整備することを市教育局に義務付けている。
しかし訴えによると市内の公立校で糖尿病治療の環境が整っていることはまれ。糖尿病の児童・生徒は健康上の危険にさらされており、インシュリンの投与などのために定期的に保健室を訪れるため、授業の欠席を余儀なくされているという。市には最低2000人の糖尿病の生徒がいるとされる。