【10月31日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク州のカトリック大司教、ティモシー・ドラン枢機卿は10月31日、少年への性的虐待の疑いがもたれていたブロンクス区のジョン・ジェニック司教(74)に、聖職行為の停止を言い渡したことを発表した。現役の司教に対する性的虐待の申し立ては全米で初。
申し立てによると、ジェニック司教は1978年ごろ、神父を務めていた同区アワー・レディ・オブ・レフュージ教会で、当時13歳だったマイケル・ミーナンさんと家族ぐるみで親交。同司教はミーナンさんが15歳のころ、ミーナンさんを自宅に泊め、毛布の上から体を触ったとされる。現在52歳のミーナンさんは「恐怖で体が固まった」と話している。同司教は10月29日に申し立てを否定する手紙を教区民宛てに発表。今後、バチカンが捜査を行う。
ドーラン枢機卿はこの日、声明文で「申し立てにある出来事は数十年前のことだが、提出された証拠は信ぴょう性があり、申し立てを立証するのに十分であるとの結論を下した」と述べた。
今年6月、米国内の高位聖職者の1人で、ワシントン大司教区の元責任者セオドア・マカリック枢機卿が、70年代にミサの侍者を務めていた少年への性的虐待容疑で処分を受けて以来、同様の申し立てが後を絶たない。今年8月にはペンシルベニア州のカトリック神父300人以上が少年少女に性的虐待し、隠蔽していたとの報告
もある。