MTA、グラセン駅を購入へ 周辺開発で利益確保目指す

 【13日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨーク州都市交通局(MTA)はこれまで賃借してきたマンハッタン区グランドセントラル駅と、同駅に乗り入れるメトロノース鉄道のハーレム線とハドソン線の一部を3500万ドル(約40億円)で購入する意向だ。MTAの財務委員会が13日に決定した。
 購入によりMTAは、列車の運行管理を強化できるだけでなく、周辺地域を開発して収益を上げることが可能になるとしている。4年以内にロングアイランド鉄道(LIRR)が同駅に乗り入れる計画もあり、弾みがつきそうだ。MTAのカール・ウェイスブロッド理事は「財政面でも運行面でも理にかなう。誰もが納得する買い物だ」と述べた。
 平日には1日に約75万人が利用する同駅とメトロノース鉄道の2路線は、約50年前に破産したペンシルベニア鉄道が所有していた。現在は投資会社のミッドタウン・トラッケージ・ベンチャーズ(MTV)が所有。1994年にMTAはMTVと長期の賃貸契約を結び、年間200万ドルで借り受けている。契約には2017年4月から19年10月の間に購入する権利が付いており、今回の決定はこの権利を行使するもの。
 MTAは賃貸契約が始まった直後から約2億ドルを投じ、グランドセントラル駅メーンコンコースの修復や店舗の拡充を実施してきた。

グランドセントラル駅(photo: 本紙)