【14日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨーク州都市交通局(MTA)は14日、貧困層のニューヨーク市民約80万人向けに半額のメトロカードを来年1月から発行すると発表した。「公正運賃」計画(本紙4月12日号既報)がいよいよ動き出しそうだ。
半額メトロカードは1回ずつの利用を対象とせず、7日間または30日間の乗り放題券のみで適用。通常の券売機ではなく、市の担当部署で販売する予定だが、詳細は未定。財源の半分は市が補助する。市では同計画を段階的に導入する計画で、当初の予算として1億600万ドル(約120億円)を用意。最終的には年間2億1200万ドル(約240億円)の経費がかかる見込みだ。
1回券を対象としないことに失望の声も聞かれる。貧困層の支援団体コミュニティー・サービス・ソサエティー・オブ・ニューヨークの広報担当、ジェフ・マックリンさんは「貧困層の22%は乗り放題券ではなく1往復券を購入する。その金額しか払えないからだ」と、カードの種類を追加することを要求。市のスコット・ストリンガー会計監査官も「半額を1回券に適用しないのは公正運賃の主旨に反する」と非難した。これに対し、市長室のジャックリーン・ローゼンバーグ広報担当官は「とりあえず実施し、必要に応じて修正していく」としている。