NYCHAと連邦検事局の和解案を却下 「公益に一致しない」、不祥事など巡り

 【14日付ニューヨークタイムズ】連邦地方裁判所のウィリアム・ポーレー判事は14日、ニューヨーク市住宅局(NYCHA)がマンハッタン区の連邦検事局と合意していた和解案を却下した。 
 同検事局は今年初め、鉛含有塗料検査に関するデータ改ざんなど組織的な不祥事および運営に関する虚偽報告の疑いでNYCHAを起訴。NYCHAは訴訟を避けるために、NYCHAを監視する連邦監督官を指名することで、和解に応じていた。また、和解の一環としてNYCHAは、老朽化した公共住宅の改修のために5年間にわたり、最低12億ドル(約1361億円)を投資することに合意していた。
 しかし同判事は、公共住宅で暮らす住人の悲惨な状況を考慮し、「和解は公正でも合理的でもなく、公益に一致していない」と非難。NYCHAらに今後の対応についての見解を記した報告書を12月14日までに提出するよう命じ、連邦政府による引き継ぎを強く主張した。また40万人が暮らす全米最大規模の公共住宅の徹底的調査という法的責任を放棄したとして連邦政府を糾弾した。