エイズ検査、煩雑な手続き障害に 「患者の生命脅かす」と緩和求め

 【26日付ニューヨークポスト】ニューヨーク州内でエイズウイルス(HIV)検査を実施するために必要な事前承諾および通知は「手続きが煩雑で患者の生命を脅かしている」として、ブロンクス区の病院に勤めるダナ・ファッターマン医師は州保険局エイズ諮問委員会の席上で15日、検査要件の緩和とHIV検査の義務付けを求めた。
 州法では、HIV検査を受けるのは任意で患者の合意が必要。医師は検査前にHIVについての説明が義務付けられている。同区のモンテフィオーレ小児病院で青少年向けのエイズ治療プログラムのディレクターを務めるファッターマン医師はこの日、これらの要件はエイズに対する差別が社会問題化していた時代に患者の人権を保護するために制定されたもので、「時代遅れ」だと指摘。煩雑な手続きのため同検査を敬遠する傾向が高いと訴えた。
 同病院が入るモンテフィオーレ・メディカル・センターでは、診断未確定のエイズ患者の80%は初回の救急受診の際にHIV検査を受けていなかった。また、C型肝炎感染が疑われる患者の59%は同検査を受けたが、HIV患者は40%しか受けていなかった。
 ニューヨーク市には現在、10万9512人のエイズ患者がおり、2016年には、1980年代のまん延以来最少となる2052人が新たに感染の診断を受けている。

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