【28日付ニューヨークタイムズ】元受刑囚で、高齢受刑囚の早期仮釈放を求める運動に尽力した活動家、ムジャヒド・ハリッドさんが20日、ブロンクス区の自宅ですい臓がんのため亡くなった。69歳だった。
ハリッドさんは1978年1月、ニューヨーク市警察官に対する過失致死および殺人未遂で有罪となり、過失致死で懲役11年から12年、殺人未遂で懲役15年から無期の刑が確定した。15年間服役した後、仮釈放を9回申請したが、ニューヨーク州の仮釈放委員会は、ハリッドさんが高齢かつ模範囚であることよりも、犯罪の暴力性を重視して却下。申請10回目にして許可されたのは33年後の2011年、ハリッドさんは62歳になっていた。
2年後に釈放され、著名な投資家で慈善家のジョージ・ソロス氏の支援を得て、高齢受刑囚の早期仮釈放を求める非営利団体「リリース・エイジング・ピープル・イン・プリズン」(RAPP)を設立。高齢者の再犯率が低いことなどを主張、活動を展開した。運動を受け、州仮釈放委員会も判断に年齢を加味するようになった。
受刑囚の高齢化は全米的な傾向。今後10年で50歳以上が全体の3分の1になるという。