警察、ICE協力を制限 NJ州司法長官が命令

 【11月30日付WNYC】警察と移民との信頼関係を高めようと、ニュージャージー州のガーバー・グレウォル司法長官は11月29日、同州内の警察に対し、移民税関捜査局(ICE)への情報提供などを制限する行動規則を命じた。移民がICE捜査官に逮捕されることを恐れ、犯罪の通報や公判での証言を避ける傾向を懸念したもの。グレウォル氏が発令前にWNYCの取材に答えた。
 今回の命令で、同州の警官および保安官、刑務官は重罪の捜査に必要でない限り、誰に対しても在留資格を問うことを禁じる。また、ICEによる裁判所での不法移民の逮捕を手助けすることを禁止し、軽犯罪で起訴された移民について、令状を持たないICE捜査官には引き渡さないようにする。ただし、殺人やレイプなどの重罪で起訴された移民が釈放される際はICEに知らせることができる。
 同州のアン・ミルグラム前司法長官は昨年、重罪で起訴された被告に在留資格を質問し、釈放前にICEへ知らせることを警察に命じていた。11月下旬に発表された報告書によると、同州ではトランプ政権の下、警察による不法移民のICEへの引き渡し件数が急増し、全米平均を上回っていた。グレワル氏は「連邦政府による移民政策が発令へと駆り立てた」と明かした。
 同州警察幹部や、ニューアーク市などの警察は、同命令を支持。一方でICEは同命令について「公共の安全を損なう恐れがある」と批判した。

グレウォル氏。本人のツイッター(@NewJerseyOAG)より