【3日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク市の歴史的建造物保存委員会(LPC)が、マンハッタン区東12丁目にある老舗書店「ストランド」が入居するビルを歴史的建造物に指定しようとしたところ、同書店の経営者、ナンシー・バス・ワイデンさんが4日、「指定はやめて」と異議を唱えた。歴史的建造物に指定されると、同委員会の許可なしに改築ができないなど営業妨害になるとしている。
LPCの公聴会でワイデンさんは、「指定によりストランドは潰れる可能性がある」と切り出し、「(ストランドは)薄利で営業している。(指定されると)改築にあたっての規制が細かく、改築費や維持費がかかり経営が成り立たなくなる」と説明した。さらに、市や州が優遇措置を講じて「強敵」アマゾンをクイーンズ区のロングアイランドシティーに誘致したことも、「追い打ちをかけた」ときっぱり。「お金や優遇措置はいらない。ほっといて」と訴えた。
ストランドは1927年創業。「書籍が18マイル」をスローガンに、映画などにも登場する名物書店として知られる。入居するビルは1902年完成の11階建て。LPCは、ルネッサンスリバイバル様式の外装に価値が認められるとして歴史的建造物に指定したい考えだ。
LPCは公聴会での意見を加味して、決定を下すとしている。