【4日付amニューヨーク】ニューヨーク連邦準備銀行(FRB)が4日に発表した連邦労働統計局(BLS)のデータ分析報告書によると、ニューヨーク市で中間層の雇用の伸びが低迷していることが分かった。
市内5区で2015年から17年に創出された雇用は17万5000件。そのうち4割以上に当たる7万7600件が、平均年収6万ドル(約680万円)を超える高収入の雇用で、6万1000件以上が低賃金とされる年収3万ドル(約340万円)以下の雇用だった。年収3万ドルから6万ドルの中間賃金の雇用は3万6790件にとどまった。一方、全米では同時期に、すべての賃金層の雇用がほぼ同等のペースで伸びていた。
トラック運転手や工場作業員、管理担当官など中間賃金の職は、ロボットや外国企業にとって代わられ縮小。市では事務員や管理担当官などの職が同時期に約3180件、また工場作業員の職は約5450件減少している。
医者や弁護士、エンジニア、金融アナリストなど高収入の職では、ビジネスおよび金融関連の雇用が3万6750件拡大。介護士や調理人、農業従事者 清掃作業員など低賃金の職のうち、医療補助の職は2万7680件増加していた。
FRBのウィリアムズ総裁は「コンピューターや機械がこなせる職は、機械化で効率や正確性が伸びるため、雇用は減少する」と指摘。コンピューターを多く用いる職が成長すると分析した。実際、市ではテクノロジー部門の雇用の伸びが顕著だった。