【11日付ニューヨークタイムズ】インターネット通販大手アマゾン・コムが「第2本社」の1つをクイーンズ区ロングアイランドシティー(LIC)に建設することに対して、住民の間で高まる反対の声を抑えるため、同社は広い人脈を持つロビイストを雇い対応に当たっている。同区を含む地区からは民主党のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏(29)が11月、米史上最年少でニューヨーク州下院議員に当選。同社は当選を支えた草の根の活動家らを取り崩そうとしているようだ。
今月12日のニューヨーク市議会での公聴会に先駆け、同社は同区選出の元市議会議員、マーク・ウェプリン氏とマンハッタン区選出の元市議会議員で地元ニュースサイト「シティ&ステート・ニューヨーク」で今年「マンハッタンで最も影響力のある50人」にも選ばれたエド・ウォレス氏をロビイストとして新たに採用した。
今月にも著名な政治コンサルタントや経験豊富なPR会社を雇っている。
第2本社の誘致を進めていたアンドリュー・クオモ知事およびビル・デブラシオ市長は11月、建設予定地がLICに決定したことを「大きな勝利」として発表。しかし契約過程で公開審査が不足していたことが判明。高級化が進む同区の移民および低所得層への影響や、世界有数の企業である同社へ州と市から巨額の税制優遇措置が与えられるとして地元住民から反発の声が高まっていた。