【16日付ウォール・ストリート・ジャーナル】他の医療施設との差別化を図るため、ホテル並みのサービスを提供する病院が増えている。
ブロンクス区のモンテフィオーレ・ヘルス・システムでは、病院での経験を気持ちよく、より特別なものにしてもらおうと、患者経験・カスタマーサービス部を新設した。部長にはリッツカールトンやフォーシーズンズなど一流ホテルでの勤務経験を持つマルチェロ・ハッタ―氏(36)が就任。「病院など医療施設では、人々は不安で心配になる。患者に対する接し方により、大きな違いが生まれる」と意義を説明する。同部が中心となり、受付にアイパッドを持った制服姿の職員を待機させて患者のニーズに迅速に対応できるようにするなど、受け入れ態勢の全面的見直しを行った。
ニュージャージー州のハッケンサック・メリディアン・ヘルスでは、ホスピタリティーサービス副部長にリッツカールトンで勤務したことのあるクンル・モデュ―プ氏を抜擢。採用の際、相手の感情を理解する能力などをテストするリッツカールトン流の人材評価制度を導入。また、職員を集めその日の優先事項やテーマを確認する、ホテルでの日課だった5分間の朝礼も取り入れた。
患者満足度調査は病院への医療費払戻の金額に影響することや、患者が病院を選ぶ理由の72%が家族や友人らの口コミによることも、サービス向上に一役買っている。