【8日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨーク市立大学ハンターカレッジが行った研究によると、高度教育を行う市の「エリート校」、スペシャライズド高校(SH)8校の入学試験では、女子が好成績を残せず、実力を発揮できない傾向にあることが分かった。
同研究を主導したジョナサン・テイラー氏によると、SHの1年生の女子は入学後、入試で点数が上位だった男子と同等の成績を収めている。SH8校の1年生で、入学後の成績が平均95点以上の男子は入試で565点から800点を取っていたのに対し、入学後に同等の成績を収めている女子の入試での平均点数は549点だった。
研究は「入学試験で良い結果が出せなくても学力が劣るとは一概にいえない」と分析。テイラー氏はSHへの入試制度を「偏向試験だ」と批判した。
今学年度にSHを受験した女子生徒の割合は51%だったが、合格した女子生徒の割合は44%だった。8校ではこれまでに男子の合格者数が女子を常に上回っている。
入試の成績のみで合否を決める現行の入学基準を巡ってはビル・デブラシオ市長が反対を表明。試験を廃止し、中学での成績と州統一試験の結果を基に各校の成績優秀者を入学させるよう、ニューヨーク州議会に呼び掛けている。