【12日付WNYC】警察による民間人への残虐行為に対する抗議運動の中心的存在で、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」運動の礎を築いた活動家のニコラス・ヘイワードさんが昨年12月31日、心不全で死去していたことが分かった。61歳だった。
ニコラスさんの息子、ジュニアさん=当時13歳=は1994年9月、ブルックリン区ゴワナス運河そばの公共住宅の屋上で友人と一緒におもちゃのライフル銃で「警官ごっこ」をして遊んでいたところを、発砲があったとの通報を受け駆け付けたブライアン・ジョージ巡査=当時23=に射殺された。一緒に遊んでいた友人の証言によると、友人を追いかけて階段を降りてきたジュニアさんと同巡査が遭遇、ジュニアさんは「遊んでいる」と言ったが、腹部を38口径の拳銃で撃たれたという。
その後、同巡査は不起訴となり、ヘイワードさんは「警官に殺された被害者の正義を求める活動」を開始。警察に対する抗議運動の中心的存在となった。ヘイワードさんは2015年、「心の痛みは深くなるばかり。生きていれば33歳、どんな息子になっていたことか」と悼んでいた。
同事件は16年に再審が開始されたが、同区地方検察局は、ジョージ巡査を起訴するのは「証拠不十分」との決定を下している。