【16日付ウォール・ストリート・ジャーナル】1917年のロシア革命から冷戦終結後の95年まで、旧ソビエト連邦の国家保安委員会(KGB)が使用したスパイ道具を展示する「KGBスパイ博物館」が17日、マンハッタン区の西14丁目にオープンした。
暗号を作成・解読する機械や封ろう付きのスパイ用革鞄、カメラや盗聴器、通信機を仕込んだ靴やネクタイピン。「死のキス」とのあだ名を持つ口紅式のピストルもある。1978年、ブルガリアの反体制派、ゲオレギー・マルコフ氏暗殺に使われた傘も展示。関連品は3500点にもおよび、コレクションとして世界最大規模を誇る。
収集したのは、同博物館を運営するリトアニア出身のユリウス・ウルバイティスさん(55)。過去30年の間、競売や元KGB関係者を通じてスパイ道具を購入してきた。隠しカメラ付きのジョン・プレイヤーブランドのたばこは3万6000ドル(約390万円)したという。娘のアグネさんは「冷戦時代、ソ連がスパイ活動にどれほど力を入れたかが理解できる」と語った。
折から、ロシアの2016年大統領選への関与や神経ガスによる元スパイの暗殺疑惑が世間を騒がせている。このスパイ博物館、話題を呼びそうだ。