【17日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ブロードウェーの俳優労働組合は今月上旬から、事業者団体のブロードウェーリーグに対し、組合員の給与改善などを求めてストライキを行っている。過去2年間にわたり交渉を続けてきたが決裂していた。同組合がストを決行するのは約50年ぶり。
上演中のショーは対象外だが、ワークショップや朗読会の中止、今後上演予定のショーの準備や開発が滞るなど、一般の目に触れないところで影響が出ている。
ケート・シンドル組合長によると俳優労働組合は、ショーの準備や開発に携わる俳優やステージマネジャーの給与増額や、利益の1%分配を要求。組合員らは現在週給1000ドルほどだが、これは実際に稼ぐ額の約半分だという。
3月29日から先行上映が予定されているコメディ映画「トッツィー」のミュージカル版はストによって立ち稽古が中止、遅れが懸念されている。同じく準備中の「オールモースト・フェイマス」「デイヴ」やマイケル・ジャクソンの人生に基づいた作品もストの対象だ。
ストを受け、ブロードウェーリーグは「交渉を続行したい」と表明。非組合員を使う、ブロードウェー以外で制作するなどの代替案があり、結局はあまり影響はないとの意見もある。しかし同時に、ショーの準備・開発期間は主要な投資家を呼び込む重要な時期のため、リーグ側が組合の要求をのむのも時間の問題との見方がもっぱらだ。