新作女性像は人種差別? 「白人は黒人の代表といえない」

 【17日付ニューヨークタイムズ】セントラルパークに設置される女性像のデザインに、人種差別ではないかとの声が上がっている。
 年間250万人以上が訪れるセントラルパークにある女性像は現在、「不思議の国のアリス」のみ。女性の記念碑を増やそうと、ニューヨーク市公園局は記念碑財団と合同で昨年夏、アイデアを公募。女性参政権権運動の指導者、スーザン・B・アンソニーとエリザベス・キャディ・スタントンの像設立を決定した。
 この像には巻き紙が貼られ、同運動に貢献した22人の女性の名前が刻まれているというデザインだが、そのうち黒人は7人。ソジャーナ・トゥルース、アイダ・B・ウェルズ、メアリー・チャーチ・テレルなど性差別と人種差別の克服に尽力した指導者も含まれている。名前が刻まれた黒人7人について「独自の記念碑に値する」「(アンソニーとスタントンという)白人2人が彼女らの代表とはいえない」「黒人運動家の軽視を繰り返しているのではないか」といった声が上がった。
 市公園局の美術・遺物担当のジョナサン・クーン氏は「デザインを大きく変更するのは作者の構想をねじ曲げる」として突き放した。像は現在、市のデザイン委員会が検討中。その行方が注目される。

設置予定の女性像のミニチュア版。
昨年8月にニューヨーク歴史協会で公開された
(photo: Glenn Castellano, New-York Historical Society)