【23日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨーク州議会上下両院は23日、州学力試験の結果を教師の評価に加味することを各教育委員会に強制しないとする条例案を、上院60対0、下院125対6の圧倒的多数で可決した。
教職員組合や一部保護者は数年来、試験結果を教師の評価に使うのは、教師のストレスを高め、試験に備える生徒にも悪影響を及ぼすと主張してきた。ケネス・ゼブロウスキー下院議員(民主)は可決に当たり、「試験に固執する『文化』から学校を解放できれば」と話した。
教員評価制度は2015年、アンドリュー・クオモ州知事が導入。14年に実施された知事選で教職員組合が同知事を支持しなかったことへの「意趣返し」ともみられた。教師や保護者から不評を買い、同年春には試験をボイコットする動きが広がった。12月、同知事が指名した諮問委員会が、試験結果を教師の評価から一時的に外すことを提案。州教育理事会も暫定的中止を決定した。今回の条例案は、この中止を恒久的にする狙いがある。
教職員組合は、クオモ知事が早期にこの条例案に署名するよう働きかけていく方針。ただし同知事は条例案の詳細を明らかにすることを拒んでおり、報道担当官は「条例案の文言は、予算案に沿う」とのみ回答している。