クイーンズ区ジャクソンハイツの駅ホームで3日午後、男性が撃たれて死亡した事件で、ニューヨーク市警察(NYPD)は5日、中米エルサルバドルを拠点とする凶悪犯罪組織マラ・サルバトルチャ(MS13)の構成員、ラミロ・グティエレス容疑者(26)を殺人やギャング暴行などの容疑で逮捕した。
NYPDと同地区検事局によると、グティエレス容疑者は3日午後12時45分ごろ、別の男らとともに同区7番線90丁目エルムハースト街駅に停車中の列車内で、乗車していたアベル・モッソさん(20)を暴行。同駅のマンハッタン方面行きホームに引きずり下ろし暴力を振るい続け、顔や頭を複数回撃って死亡させた疑いがある。
検事局によるとモッソさんもギャングの構成員で、グティエレス容疑者とライバル関係にあったとみられる。NYPDは他に2人の行方を追っている。事件の一部始終を捉えた映像には6発の発砲音が記録されていた。
5日付ニューヨークポストによると、グティエレス容疑者は米国に不法滞在しており、違法薬物所持などの容疑で少なくとも9回の逮捕歴があった。昨年2月には同区リッチモンドの住宅に侵入したとして、同12月に強盗未遂容疑で逮捕、同罪で起訴。その後起訴内容を否認し、保釈金2500ドル(約27万4400円)で保釈されていた。
サンダース大統領報道官はCNNテレビの取材に対し「(不法移民による)犯罪や違法薬物の密輸は、国境警備によって防げるはず。こうした事件を再び起こしてはならない」と糾弾した。