【5日付amニューヨーク】ニューヨーク市独立予算事務局は5日、商業貨物輸送企業10社が、昨年だけで約1000万ドル(約11億ドル)の駐車違反の罰金を免れたと発表した。
業界最大手のUPSは昨年、市内最多の16万4580件の駐車違反を犯したとして召喚状を受けた。罰金として総額約1400万ドルを支払ったが、最大で320万ドルを節約した可能性があるという。これは、企業が駐車違反に異議を申し立てないことを条件に罰金を減額する、市財務局の定額罰金制度および商業減額制度を利用したもので、現在約2200社余りが登録している。同制度は交通裁判にかかる経費を削減し、市の歳出を抑えるのが目的。
ニューヨーク大学ルービン・センター・フォー・トランスポーテションの副所長、サラ・カウフマンさんは、同制度が罰金の意義をなくしていると批判。「(違法駐車が)自転車専用道路を占拠し、他の車の通行の妨げになることもある。(同制度は)危険で無責任な行為を助長しかねない」と指摘した。これに対し市財務局のジェフリー・シアー副局長は「企業は(交通裁判所で)意義を申し立てた場合とほぼ同額を罰金として支払っている」と反論。非営利のビジネス団体、パートナーシップ・フォー・ニューヨーク・シティーの会長キャサリン・ウィルデさんは「駐車場不足が元凶」として議論は平行線をたどっている。