NY市の20年度、先行き暗く 予算案発表、税収減で打撃

 2期目を務めるニューヨークのビル・デブラシオ市長は7日、合計992億ドル(約10兆8842億円)に及ぶ2020会計年度の予算案を発表した。政府機関の閉鎖など連邦政府の不確実性に加え、ニューヨーク州の税収減少などを考慮し支出は30億ドル(約3290億円)増と拡大。一方で市でも大幅な税収減を予想し、市機関に対し経費節減を呼び掛けた。
 市長は新規雇用の一時停止などにより4月までに7億5000万ドル(約823億円)の節減を目標。個人所得税は昨年より9億3500万ドル(約1026億円)の大幅な減少が見込まれ、大きな打撃となることが予測される。市長は昨年12月、米連邦準備理事会(FRB)が利上げ方針を示したことや、トランプ政権の混乱などによる株式市場の乱れが、税収の減少に影響していると指摘。「(限られた税収で)今後難しい選択を迫られるだろう」と述べた。
 州の今年度の税収は23億ドル(約2524億円)減少し、来年度は16億ドル(約1756億円)減が予測され、教育助成金や支援が必要な世帯への補助金など、市への助成金6億ドルが削減されている。同予算案は、市長と市議会との話し合いの後、6月に承認される。

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