【10日付WNYC】クイーンズ区の地下鉄7番線の90丁目エルムハースト街駅で今月3日、男性が射殺された事件で、逮捕されたのは不法移民のギャングだった。事件を受け、ニューヨーク市は移民税関捜査局(ICE)と連携を深め、不法移民を取り締まるべきだとの声が上がっている。同区を拠点とする市民団体も立ち上がった。
事件を目撃したジョニー・クルースさんは「ICEは不法移民1人ひとりを取り締まるのではなく、市民と協力するべき」と話した。
市は、不法移民に寛容な「サンクチュアリシティー(聖域都市)」であり、ICEへの協力は限られている。令状が発行されている場合か、170種類の定められた重罪のうちの1つで有罪判決を受けた移民についてのみ、ICEに協力する方針を採用。これは不法移民が強制退去を恐れ、犯罪の通報や捜査協力をためらうなどの弊害があるからだ。一方で、クイーンズ区ではギャングの活動が活発化しているため、住民が懸念している。
事件を受け、ドミニカ共和国からの移民子孫で同区コロナ在住のマイク・レイエスさんは市にICEとの協力を求める「ラティーノズ・フォー・ICE」を設立。市政監督官選に立候補している弁護士のマニー・アリカンドロ氏などが賛同を表明している。レイエスさんは「現状を打開するために市に働き掛けていきたい」と話した。