住所表示ないビル、42丁目に集中「配達遅れ、人命にも関わる」

 【11日付amニューヨーク】マンハッタン区42丁目の1番街から6番街にかけての地域に住所表示がないビルが集中している。「見つけにくい」ばかりでなく、条例違反に当たるとして問題になっている。
 amニューヨークがこのほどに実施した調査によると、同区間のビルの53%に住所表示がない。その中には5番街と42丁目の角にあるニューヨーク市公共図書館の本館も含まれる。同図書館はこの件について無回答だ。さらに4軒あるスターバックスやウェスティン・ニューヨーク・グランドセントラル・ホテル、バンク・オブ・アメリカも番地を含めた住所が表示されていない。
 市議会は建物の外装に明確な住所表示をすることを条例で義務付け、2017年には罰則も強化した。ただし、「明確な」の定義は曖昧だ。罰則強化を提案したジュマーネ・ウィリアムズ市議会議員(民主)は、「市が本腰を入れて取り締まっていない。配達は遅れ、警察や消防がビルを見つけられなければ人命に関わる」と警鐘を鳴らす。
 これに対し、市の住宅保全開発局は14年以降、644件の条例違反を摘発したと反論。ただしそのうちの279件は未解決だ。建設局は6件を摘発、そのうちの4件は住所表示を取り付けたという。同局の広報担当は「条例違反のビルがあれば通報してほしい」と呼び掛けている。

ニューヨーク市公立図書館。
公式ホームページより