【14日付ニューヨークタイムズ】1980年代末から90年代に遠距離恋愛中の日本の恋人たちが利用したのは、「シンデレラエクスプレス」。いま、米国の恋人たちが頼りにするのは長距離バス。誰が呼んだか「キューピットバス」だ。
ラシェンダ・ハーンドンさんはワシントンDCの中学校に通っていたとき、クライド・エドワーズさんに片思いしていた。約20年後、フェイスブックを通して連絡を取り合うようになった2人は間もなく恋人関係に。ハーンドンさんはニューヨーク市在住でエドワーズさんは地元暮らし。ハートやキスの絵文字の交換に限界を感じていたときハーンドンさんは偶然、インターネットで長距離バス「アワーバス(ourbus)」を発見。以降、毎週末のようにエドワーズさんのもとに通っている。ハーンドンさんによると2区間の運賃は片道25ドル前後。乗り心地も申し分ないという。
ペンシルべニア州ランカスターからアワーバスに乗ってニューヨーク市に住む恋人のもとに頻繁に通ったというジェレナ・ロファーさんは現在、ブルックリン区で恋人と暮らす。アムトラックなどの列車の運賃や高速道路の通行料を考えても同バスの方が「ずっと経済的」と話す。2人の故郷ランカスターへ帰るとき乗るのもアワーバスだ。
米東海岸の都市間を結ぶ同バスの共同創設者、オクセル・ヘルマンさんは、「清潔な車内、充実した特典、ユニークな運行区間」が遠距離恋愛中の恋人たちに人気の理由と分析した。