【12日付ニューヨークタイムズ】昨年末、1時間当たりの最低賃金が時給15ドルに引き上げられたことを受け、ニューヨーク市内のファストフード店の従業員が正当な理由なく解雇されているとして、ブラッド・ランダー市議会議員(民主)は13日、不当解雇を禁じる条例案を提出する意向を示した。
同議員は「すでに不当な解雇が多数発生している」と指摘。メキシコ料理のファストフードチェーン「チポトレ」では、「無愛想だ」との理由で女性従業員が解雇された例もあるという。条例案では、解雇された従業員が調停を受ける権利を保証する。同議員は「いかなる従業員も、理由なく解雇される不安から解放されるべき」と主張した。
こうした雇用確保は通常、組合が経営者側と交渉する。労働法の専門家は「交渉を市が肩代わりすることになる。条例案が成立すれば米国史上初になる」とコメントしている。
これに対しレストラン業界関係者は2012年以降、全米規模の労働組合が従業員の組織化を試みており、条例案はその戦略の1つと反発。最低時給を15ドルに引き上げる運動も「サービス業界従業員国際組合(SEIU)が焚き付けた」と主張する。