ブロンクス区で2016年4月、幼い2人の娘を自宅に置いて外出した母親の留守中に火災が起き、娘2人が死亡した。母親のハヤ・コンテ被告(29)は過失致死と子どもの福祉を危険にさらした罪で約3カ月後に起訴。今月7日、罪を認めた。
同区の地区検察局によるとコンテ被告は16年4月13日夜、同区クレアモントの自宅アパートに2歳と1歳半の娘2人を置いて近くのコインランドリーに向かった。その間に自宅アパートの2カ所に置いていたお香の火がソファーに引火、アパートは全焼し、娘2人は搬送先の病院で死亡が確認された。
ニューヨークタイムズによると、コンテ被告はフランスで生まれた不法移民。ガンビアの小さな町で育ち、12年に23歳でニューヨークにたどり着いた。滞在期限を過ぎても違法に米国内に留まり続けたという。タクシー運転手の男性と出会い結婚したが、2人目の子どもを出産後、夫は育児放棄し、被告はほとんどひとりで子どもを育てたという。
火災当時、コンテ被告は3人目の子どもを妊娠中だった。火災当日、自宅アパートにはルームメイトがいると思い込んでいたという。洗濯を終えて戻ると、自宅から娘が運び出されるところだった。被告は同紙の取材に「(娘の死は)到底受け入れられなかった」と振り返った。
事件後、SNS上ではシングルマザーで育児に苦労するコンテ被告に同情する声の他、「母親として失格」などの厳しい声も上がった。帰国する代わりに実刑は免れたが、同紙の取材に「この痛みは決して忘れられない。罪を一生背負って生きていく」と悔やんだ。