反ユダヤの憎悪犯罪、収束の気配なし 今度はブッシュウイックで

 【17日付ニューヨークタイムズ】ブルックリン区ブッシュウイックの超正統派ユダヤ教のシナゴーグで16日未明、通りに面した窓ガラスが割られた。この日はユダヤ教の安息日に当たり、信者約15人が集まり祝いの行事を行っていた。ニューヨーク市警察(NYPD)はヘイトクライム(憎悪犯罪)の容疑で犯人の行方を追っている。
 ラビのメナヘム・ヘラーさんによると、長テーブルを囲んでの祝い儀式中に、窓ガラスが割れる音がし、割れたガラス越しに室内をのぞく顔が2つ見え、足早に去っていったという。ヘラーさんは「(ユダヤ人コミュニティーの)クラウンハイツでは(憎悪犯罪が)多発していると聞く。進歩的なブッシュウイックで起こるとは」と当惑する。
 米国最大のユダヤ人団体、名誉毀損防止同盟(ADL)によると、反ユダヤ主義の犯罪は2016年から17年の間に全米で60%増加。ユダヤ人の人口が多い都市で多発し、ニューヨーク州が380件と前年比90%増で全米最多だった。
 NYPDによると、ニューヨーク市でのユダヤ人を標的にした憎悪犯罪は昨年、183件発生。17年と比べ22%増えていた。今年だけでも、今月17日までに55件が報告されており、昨年同期比で72%拡大。ユダヤ人を標的にしたものがそのうちの約3分の2を占め、昨年の21件に対し、今年は36件起きている。

diluvi.com Anna i Adria