ニューヨーク市公立図書館(NYPL)の蔵書数は、書籍が500万冊、電子書籍が170万冊。オーディオブックも17万7000冊に上る。NYPLが蔵書をどのように選んでいるのか、ニューヨークタイムズがレポートした。
同紙の記者が訪れたのはクイーンズ区ロングアイランドシティーにあるレンガ造りのビル。この中にNYPLの蔵書収集部門があり、16人の専門家が勤務しているそうだ。同部門副部長のマイケル・サンタンゲロ副部長によると、ここで働くには図書館学修士号を持ち、「本の虫」であることが必須条件。NYPLは昨年だけで、47万6000冊の書籍、7万5000冊の電子書籍、1万8000冊のオーディオブックを追加したという。
同紙の取材にサンタンゲロ副部長は、ジェームズ・パターソンやジョン・グリシャムといった著名作家の新作は無審査で「合格」とし、大手の出版社からのものは、たとえ作家が無名でも選ぶと答えた。批評家による書評や「ビーガン」「ケト」など流行も参考にする。「グレート・ギャッツビー」「はらぺこあおむし」といった古典は、自動的に新刊と交換し、その他の書籍は、内容や意見に偏りがないよう注意するという。
また、同紙によると利用者からの求めには、予算の許す限り応じる方針だそうだ。日本語を含む外国語の書籍をリクエストすることもできる。ただし、著者の持ち込みや有名人の推薦は原則採用しないという。