トランプ財団のブローカーに捜査 NY州保険監督当局が召喚状

 保険や証券、銀行などの金融取引を監督するニューヨーク州金融サービス当局(DFS)は4日、トランプ一族が運営するトランプオーガニゼーションの長年の保険ブローカー、エーオンに召喚状を発行した。ニューヨークタイムズが5日、関係者の話として報じた。トランプ大統領の元顧問弁護士、マイケル・コーエン被告はこの数日前、トランプオーガニゼーションが保険会社に資産価値を水増しして報告していたと議会で証言していた。
 エーオンのような保険ブローカーは企業の財務状況を評価し、実際に保険契約を結ぶ保険業者を紹介することで、企業から報酬を得ている。同紙によると召喚状は9ページに及び、2009年から現在までにエーオンがトランプオーガニゼーションやトランプ氏個人との間で交わした文書の写しや、関連する内部書類などの提出を命令。トランプオーガニゼーションの案件を扱った全ての従業員の報酬などの情報も求めている。エーオンや同社の従業員が不正行為に関与した疑いについては触れていないという。
 DFSは直接の犯罪捜査は行えないが、違法行為の疑いについて検事局に報告することができる他、監督下にある企業や個人の違法行為に対し、罰則を科すことができる。トランプオーガニゼーションはこれまでにも、連邦検事局や民主党議員から、調査の対象とされてきた。
 エーオンの広報担当はニューヨークタイムズに召喚状を受け取ったことを認め、協力する意向だと伝えた。特定の顧客に関するコメントはしないとしている。