貧困層に法律支援を行う非営利団体「リーガル・エイド・ソサエティー」は6日、警官の不祥事に関するデータベース「CAPstat」(www.capstat.nyc)を公表した。
同団体は、2015年1月から18年6月にかけて起こされた、ニューヨーク市警察(NYPD)の警官3897人を相手取った訴訟2359件の情報を収集。データベースでは、警官の名前、所属、訴訟内容に加え、公判記録、ニュース記事、判決まで閲覧できる。ただし、警官が自ら不祥事を認める例は少なく、裁判前に和解することが多いことから、訴えの内容が正確かどうかは保証できないとしている。
データベース作成に関わった同団体のシンシア・コンティ=クック弁護士はニューヨークタイムズの取材に「どのような不祥事が組織的に隠蔽される傾向にあるかを暴くことが公開の目的」と話す。同紙は、警官の不祥事を明らかにする動きは、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」運動が起こって以降、拍車がかかっていると指摘した。
警察官組合はデータベースについて「虚偽の情報を含み、犯罪者に利するだけ」と批判、NYPDも「すべての訴訟が法的に意味のあるものとは限らない」と同紙に懐疑的なコメントを寄せている。