NY市の夫婦、弁護士も関与 大学不正入試スキャンダル

 米国の名門大学などに不正な手段で裕福な家庭の子どもを合格させていたブローカーや親たち計50人をマサチューセッツ州ボストンの連邦検事局が訴追した事件で、親の中にはニューヨーク市在住の夫婦と、市を拠点とする法律事務所の幹部、コネティカット州の弁護士の男も含まれていた。
 同局によると、市の食品・飲料卸売業、インターナショナルディスペンシング社を創業したグレゴリー・アボット被告(68)と妻のマーシャ被告(59)は ブローカーのウィリアム・シンガー被告に昨年4月に5万ドル(約557万円)を、同9月に7万5000ドル(約836万円)を支払い、娘(18)の大学進学適性試験(SAT)およびATC試験の点数を水増しさせたとされる。
 同局が盗聴した同10月の通話記録によると、カリフォルニア州で受けた数学と英文学の試験で、娘の成績は800点満点中、600点代半ばだった。しかしシンガー被告から依頼を受けた試験担当者が数学を800点に、英文学を710点に書き換えた。またACTの成績も、36点満点中23点のところを、35点に改ざんしていた。娘の志望大学や実際に受験した大学は不明だが、通話記録によればノースカロライナ州の名門、デューク大学に興味を示していたことが分かっている。
 アボット被告の弁護士はニューヨークポストの取材に対し、同被告の関与は些細なものだったと主張。他に、マンハッタン区のウィルキー・ファー法律事務所で共同代表を務めていたコネティカット州の弁護士、ゴードン・カプラン被告(52)も昨年、シンガー被告を通して娘のACTの成績を改ざんさせたなどとして訴追された。