ティン・パン・アレー、保存を検討へ 「米国ポップミュージックの発祥地」

ニューヨーク市歴史的建造物保存委員会(PLC)は12日、「米国ポップミュージックの発祥地」として知られるマンハッタン区の一角「ティン・パン・アレー」の保存に関して討議する公聴会を開催すると決定した。歴史的建造物に指定された場合は、現存する建物は保存され、高層ビルの建設はできなくなる。不動産ニュースサイト、カーブドが13日、報じた。
 ティン・パン・アレーは、西28丁目47番地から55番地の間、6番街とブロードウェーに挟まれた一角。1850年に建てられたイタリアネート様式のタウンハウスが建ち並ぶ。同サイトによると、19世紀後半から20世紀前半、多い時で38社もの楽譜出版社が集まっていた。界隈を歩くと、ピアノの音が「ティンパン」と聞こえてきたことから1903年、この名が付けられたという。
 報道によると、2008年に5軒が4400万ドル(約50億円)で売りに出され、13年にも再度市場に出回り、不動産開発業者のヤィール・レビー氏が購入したと噂された。ニューヨーク州は11年、違法行為を理由に同氏がコンドミニアムやコープなどの売却や広告活動を行うことを禁止したが、同氏が17年に近隣のビルを購入したことが判明している。