殺しの現場はレストランや床屋 NYマフィアの血塗られた暗殺の歴史 

 ニューヨーク市を拠点に活動する五大イタリア系マフィアのうちの1つ、ガンビーノ一家の「ボス」、フランシスコ・カリ氏(53)が13日、スタテン島の自宅で殺害された。14日付のニューヨークタイムズは、市内を舞台に繰り広げられた血塗られた暗殺の歴史を紹介している。
 ガンビーノ家の首領、ポール・カステラーノ=当時70=は24年前の1985年12月、マンハッタン区ミッドタウンのスパークス・ステーキ・ハウスの前でリムジンから降りようとしたところを殺害された。3人の刺客がトレンチコートの下から半自動小銃を取り出して発砲、6発が命中して即死した。
 ボナンノ一家の首領、カーマイン・ギャランテ=当時69=は79年7月、ブルックリン区のイタリア料理店で食事中に銃殺された。警察が駆けつけたとき、くわえていた葉巻からはまだ煙が上がっていたという。プロファチ一家の殺し屋、ジョゼフ・ギャロは72年4月、マンハッタン区リトルイタリーのレストランで43歳の誕生祝いをしている最中に銃弾を受けた。よろけながら店の外に出たところで絶命した。警察によるとギャロは、前年6月にコロンバスサークルで起きたコロンボ一家の首領、ジョゼフ・コロンボ暗殺未遂事件に関与していたとみられている。
 マンガーノ一家の首領、アルバート・アナスタシア=当時55=は1930年から40年代に「マーダーインク」と呼ばれた殺人組織を指揮。57年10月、ミッドタウンのパーク・シェラトン・ホテル内の理髪店内で、スカーフで顔を隠した2人組に射殺された。