ニューヨークのビル・デブラシオ市長は14日、金融街やサウス・ストリート・シーポートを守るため、マンハッタン区ローワーマンハッタンのイースト川沿岸を、最大で約500フィート(約152メートル)埋め立てて拡張する計画を発表した。気候変動に伴う海面上昇による浸水から同地域を守るのが目的。
約10億ドル(約1114億円)と推定される費用の調達について市長は、連邦政府の補助金を期待するとしながら、不可能な場合は民間資金の注入が不可欠となるため、周辺の開発が伴うことを示唆した。
市が発表した新たな研究によると、2050年までに、ローワーマンハッタンの37%が高潮による浸水の危険に直面するといい、2100年には6フィート(約2メートル)の海面上昇が予想され、50%が浸水する恐れがあるという。さらに同地域の20%が常に洪水状態になる可能性があるという。
埋め立て完成は2030年を予定。埋め立て後にどう利用法するかは未定で、市経済開発公社(NYCEDC)が今後2年をかけて、基本計画を練っていくとしている。市は今後3年間で5億ドル(約557億円)を投じ、バッテリーパークの遊歩道を高架にし、同公園の奥に防御壁を設置。また、ブルックリン橋からマンハッタン橋間にも防御壁を建設するなど4つの浸水対策計画に着手していく予定。