「命の危険を感じていた」 マフィア首領殺害、被告が供述

 ニューヨークを拠点に活動する五大マフィアの1つ、ガンビーノ一族の首領、フランシスコ・カリ氏を射殺したとして、殺人や武器使用などの罪で起訴されたアンソニー・コメロ被告(24)が、「命の危険を感じて首領を撃ち殺した」などと供述していたと、ニューヨークタイムズが18日、複数の捜査関係者の話として伝えた。被告はカリ氏の親戚の女性と交際しており、カリ氏から反対されていたという。
 報道によると、コメロ被告はニュージャージー州オーシャン郡ブリックで逮捕。弁護士を雇う前に長時間にわたり警察の取り調べを受けた際に供述していた。他に、事件当時は大麻に酔った状態にあったこと、カリ氏が所持する銃で撃たれる危険を感じていたことなどを明かしていたという。
 同紙によると18日、同郡の裁判所に出廷したコメロ被告は、手のひらにペンで「MAGAよ永遠に」「USA」「団結すれば立つ」などと書かれた左手ををかざして見せた。今後ニューヨークに移送され、25日にスタテン島の裁判所で罪状認否を行う予定。同紙が話を聞いた捜査関係者は、被告が自分のトラックをカリ氏の車にわざとぶつけ、同氏を自宅からおびき出して銃殺したとの供述も明かした。被告はつじつまの合わない話をしているというが、殺害はマフィア抗争とは関係していないとの見方が強いという。