死んだはずの警官が生存 逮捕状が混乱招いたか=報道

 ブロンクス区で約20年前に凶弾に倒れたと思われていたニューヨーク市警察(NYPD)の警官、ビンセント・リングさんが生きていることが判明した。ニューヨーク・デイリー・ニュースが18日、報じた。リングさんを銃殺したとしてNYPDが行方を追っていた男がフロリダ州で逮捕された3日後のことだった。
 同紙によると、リングさんは1999年12月、ブロンクス区でレスター・ピアソン容疑者(43)と銃撃戦となり脊髄を負傷。約1カ月入院した後に死亡したとされていた。リングさんは撃たれた際非番だったが、当時は覆面捜査官として勤務していたため、名前などは明かされなかったという。ピアソン容疑者は2002年2月に自首したが、保釈期間中に逃亡。その後名前を変え、ラッパーとして活動していた。フロリダ州ジャクソンビルの自宅で15日に逮捕されたときには、NYPDのジェームズ・オニール本部長もツイッターに「迷宮入りかと思われていた警官殺人事件が解決した」と投稿していた。
 ところが、リングさんのおじのトーマスさんは同紙に「ビンセントはピンピンしているよ」「昨年、会ったよ」と暴露。リングさんは現在47歳で警察を退職しているという。
 同紙によるとリングさんとは連絡が取れず、トーマスさんもこれ以上語るのを拒否。他の親戚も口を閉ざしている。警察は、逮捕状の書き方があいまいだったため、混乱を招いたと同紙に釈明したという。