ニューヨーク市議会のカイム・ドイツ議員(民主)は18日、性犯罪の常習犯が、生涯にわたり地下鉄を利用することを禁ずる条例案を提出した。各メディアが報じた。
報道によると、この条例案では列車内や駅ホームなどで痴漢や局部の露出、性的虐待などの性犯罪で複数の逮捕歴のある性犯罪者が地下鉄構内に立ち入ることを禁止する。それを無視して入ってきた場合は不法侵入通知を発令し立ち退くよう勧告でき、従わなかった場合は逮捕できるようにする。万引き常習犯が小売店に入店できない仕組みと同じだ。
20日付ニューヨークタイムズによると、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、有罪判決を2回以上受けた性犯罪者の地下鉄利用を禁止することへの支持を表明。「刑期を終え釈放された性犯罪者が学校周辺に住むことを禁じるなどの取り組みの先例がある。このような犯罪の再犯率が高いのは、現行の法律に効果がないから」と述べていた。
同紙が市警察(NYPD)のデータとして報じたところによると、地下鉄網内での重罪および軽罪を含む性犯罪は増加傾向にあり、今年に入ってから3月17日までの間に、前年同時期比10%増の165件の被害が報告。NYPDは被害者が名乗り出やすいように、地下鉄での性犯罪を担当する女性警官を増員。また、容疑者を特定するのに役立つ、携帯電話で撮影した写真や動画を提出するよう地下鉄利用者に呼び掛けている。