地下鉄のトイレ、実際きれい? NYT記者が探訪  

 ニューヨーク市地下鉄の472駅の中でトイレがあるのはわずか51カ所。比較的新しいマンハッタン区2番街沿いの駅トイレは清潔だというが、その他はどうだろうか。ニューヨークタイムズの記者が探訪し、27日付でレポートした。
 タイムズスクエア駅には個室トイレが4つ。係員が入退室を管理し、5分の制限時間がある。記者は「比較的清潔」としながらも、ステンレス製の便座について「刑務所を連想させる」と辛らつなコメント。同区125丁目駅のトイレは「古くて物々しい」。トイレットペーパーは鍵付きのチェーンで壁からぶら下がる。男性用にはハンドソープが見当たらず、女性用には個室扉にフックがなかったそうだ。
 ブロンクス区のD線ノーウッド―205丁目駅はコンクリートの床に亀裂があり、同紙記者は「長年掃除を怠ってきたと疑わざるを得ない」。取材時、暖房が強く効いており「動物園の熱帯地方の猿小屋のよう」と評した。ブルックリン区の36丁目駅の男性用にはウイスキー缶が置かれ、トイレットペーパーは便座に敷かれたものしかなかった。女性用にはタバコの煙が立ち込め、トイレットペーパーは全くなかったという。
 同紙によればニューヨーク州都市交通局(MTA)が改修した駅トイレは昨年12カ所。今年は25カ所を予定している。