クイーンズ区の公園で約3年前、ジョギング中のカリナ・ベトラノさん=当時(30)=を乱暴し絞殺したとして、殺人や性的虐待の罪に問われたシャネル・ルイス被告(22)の再審で、同区の州高位裁陪審は1日、有罪評決を下した。昨年11月、陪審員が評決で一致できず審理無効となったこの裁判。自白が強要された可能性やDNA証拠の信憑性などの問題が提起された。量刑言い渡しは今月17日。
評決によるとルイス被告は2016年8月2日午後6時前、同区ハワードビーチの公園でジョギングしていたベトラノさんに突然殴りかかり、抵抗するベトラノさんの首を絞め続けて殺害した。ベトラノさんには性的暴行を受けた痕があったという。首と爪、携帯電話からルイス被告のDNAが検出されていた。
裁判では、当初は容疑を否認していたルイス被告が警察の取り調べで「近隣の音がうるさくて怒っていた」などと犯行を自供する映像の他、手にけがを負ったルイス被告の診療記録も提示された。
一方で、評決の直前になって、弁護側に宛てて匿名の書簡が送られていたと、ニューヨーク・デイリー・ニュースが3月29日、報じている。事件の捜査に当たり、ニューヨーク市警察(NYPD)が少なくとも360人の黒人のDNAを採取していたと書かれていたという。
これによると当初、警察は2人の白人がベトラノさんの殺害に関与したとして捜査。しかし現場に残されたDNAに黒人特製があることが判明し、方針を変更した。その後、同区とブルックリン区で逮捕歴のある黒人少なくとも360人のDNAを採取し、鑑定したという。
弁護側は「人種差別的な捜査」「検察側は被告の有利になる証拠を隠した疑いがある」と主張していた。