ニューヨーク州議会で3月31日、マンハッタン区の最も混雑する地域に乗り入れる車両に料金を課す混雑料金制度を盛り込んだ予算が成立した。ニューヨーク市は、混雑料金を採用する全米で初の都市となる。今月付1日付ニューヨークタイムズは「米国の他都市も採用を検討する可能性がかなり高くなった」と報じている。
施行は2021年となる見通し。渋滞を緩和し、老朽化が進んだ公共交通期間への改修費用を集めるのがねらいだ。
同紙によると、市での導入を受け、ペンシルベニア州フィラデルフィア市は制度導入の検討を始めた。ジム・ケニー市長の広報担当はニューヨークの動きを細かく見ていたと明かしている。カリフォルニア州サンフランシスコ市やロサンゼルス市は既に、混雑料金導入に向けて調査を開始。ワシントン州シアトル市でも、ジェニー・ダーカーン市長が中心となり、任期が終わる21年までに導入したい考えだという。
欧州やアジアでは導入が進められ、報道によると英国ロンドンやスウェーデンのストックホルム、シンガポールの都市部で渋滞緩和につながっている。ロンドンでは車の平均速度が30%上昇し、移動手段を車から公共交通機関や自転車、徒歩へと変更した人々の数が11%増加したとの報告もある。