マンハッタン区アッパーイーストサイドの非営利の動物病院、アニマル・メディカル・センター(AMC)では、がんを患ったペットや盲導犬などを対象に、無料の診察や治療を提供している。ウォール・ストリート・ジャーナルが2日、報じた。
同区ウエストビレッジに住む盲導犬のフリスコはジャーマン・シェパード。13歳で寄る年波には勝てず、AMCで針と理学療法を毎週受ける。最近、ルートカナルと自己免疫疾患も治療。いたって健康だ。しかも定期健康診断や予防注射を含め、全て無料。飼い主のマリア・ハンセンさんは「フリスコがうらやましい」と同紙に語っている。
同紙によると、AMCは昨年、ニューヨーク市とその近郊で飼われる600匹以上の犬や猫、鳥などに対し、170万ドル(約1億8950万円)分の診療を無料で提供。AMCはさまざまな基金を持ち、がんを患ったペットや飼い主が高齢となったペット、盲導犬の治療費を補助する基金の他、ウサギの治療専用の基金もある。
同紙がペット愛護団体、アメリカンペット製品協会(APPA)のデータとして報じたところによると、動物に対する医療はここ10年で複雑化。治療費は63%上昇し、全米で180億ドル(約2兆円)に達している。分割払いやローンを組むことができない場合、AMCでは治療費補助の申し込みも受け付け。昨年は申し込み者の88%が補助を受けたという。