ニューヨーク州議会で、不法移民にも運転免許証を発行できるようにする法案が審議されている。民主党議員が提出したものだが、州民の支持を得られず、先行き不透明な状態となっている。地元ニュースサイト、ザ・シティーが7日報じた。
カリフォルニア州やワシントンDCを含む全米の14州では、不法移民にも運転免許証を発行。ニューヨーク州でも以前は発行していたが、ジョージ・パタキ元知事が2001年、運転免許の申請に在留資格証明の提出を義務付ける行政命令に署名して以来、不法移民は申請できなくなった。
現在、運転免許が取得できる年齢にも関わらず、不法滞在であるために申請できない州民はおよそ70万人。同サイトによると、これらの不法移民は「病気になった子どもを学校に迎えに行くのに時間がかかる」「子どもを病院に連れて行けない」などと嘆いている。子どもの大多数は米国生まれであるため米国市民だ。
しかし、シエナ大学が3月中旬に実施した世論調査によると、州の登録有権者の61%が、不法移民への運転免許発行に批判的。ニューヨーク市以外の州内の全ての地域で過半数が反対と答えていた。キニピアック大学の世論調査でも同様の結果が出ていた。同サイトによるとアンドリュー・クオモ知事は、世論調査で60%以上の支持を得られない法案は支持しない傾向にある。しかし知事は昨年11月、同法案が議会で可決されさえすれば、署名する意向であることを明らかにしている。