投稿目的、新世代の地下鉄落書き 消す費用や運行遅延の被害招く

 ニューヨーク市で地下鉄の落書きが増加し、落書きを消すために市が負担する費用の増大や運行遅延などを招いている。地元ニュースサイト、ザ・シティーが8日、報じた。SNSへの投稿を目的とした外国人による落書きが増えているという。
 記事によると、市交通局が2018年に地下鉄の落書きを消すために支払った費用は、2年前の13万1539ドル(約1461万円)から約3.6倍の61万956ドル(約6788万円)。地下鉄車両765両および鉄道車両443両が昨年、車両全体が落書きで覆われるなど甚大な被害を受けた。そのほとんどが夜間や吹雪の間、車両倉庫に停車中の車両を狙ったものだった。
 車両から落書きを消す作業には通常、2時間以上を要する。同サイトはまた、16年には406両の地下鉄および262両の鉄道が落書きの被害を受け、処理のために運行を休止したと報道。今年に入ってからの3カ月間に、落書きの件数は前年同期に比べ30%以上減少していたというが、暖冬のため夜間、地下の車両倉庫に格納される地下鉄の数が減ったことが減少の一因とみられている。
 記事によると落書き犯はほとんどが国外からの訪問者。被害は増えているものの、SNSへの投稿により追跡は容易にもなっている。市警察(NYPD)は昨年、国際警察などの協力の下、複数の落書き犯をスペインで逮捕し、費用を負担させたという。