38年の刑期の末、仮釈放へ 現金輸送車銃撃事件の運転手 

 ニューヨーク州ロックランド郡ナニュエットで1981年に起きた現金輸送車襲撃事件で、逃走用の車を運転していたジュディス・クラーク受刑者(69)が、38年の刑期の末に仮釈放されることが17日、州仮釈放委員会で決まった。ウォール・ストリート・ジャーナルなどが伝えた。
 この事件は、過激派集団ウェザーアンダーグラウンドのメンバーらが警備会社ブリンクスの現金輸送車を襲撃し、現金160万ドル(約1億8000万円)を強奪したもの。警官2人と警備員1人が銃撃され死亡した。同集団のメンバーだったクラーク受刑者は現場に居合わせなかったが、第2級殺人および第1級強盗の罪で有罪、終身刑を言い渡され、75年から刑に服していた。
 同紙によると、クラーク受刑者は収監されていたウェストチェスター郡ベッドフォードヒルの刑務所でさまざまな分野の学位を取得、使役犬の訓練をするなど模範囚として評価されていた。民主党議員らは、同受刑者の刑は同事件の共犯と比べ重すぎるとして釈放を求める活動を開始。アンドリュー・クオモ知事が2016年に減刑を決定し、今回の仮釈放決定につながった。警察関係者はこの決定に反発している。