黒人5人のえん罪事件がドラマに セントラルパークファイブ、ネットフリックスで

 マンハッタン区のセントラルパークで1989年、28歳の白人女性が乱暴され重傷を負った事件から、19日で30年を迎えた。この事件は、無実の5人の黒人男性が有罪評決を受け、長年服役したことから「セントラルパークファイブ」と呼ばれるえん罪事件として知られている。動画配信サービス大手、ネットフリックスは5月31日から、事件について描いたドラマシリーズ「When They See Us」を放映する。
 ネットフリックスは今月19日、最初の予告編を公開した。シリーズは5話完結。クリス・チョークなどが出演、エイヴァ・デュヴァーネイが監督・脚本を務める。
 事件が起きたのは1989年4月19日夜。セントラルパークをジョギングしていたトリシャ・メリさんが何者かにレイプされた上、暴行を受け頭蓋骨にひびが入るなどの重傷を負った。この夜、近くでは若者のグループがホームレスに投石するなどの嫌がらせを行っており、ニューヨーク市警察(NYPD)はメリさんを襲った人物もこの中にいると推測。数名を取り調べ、自白したレイモンド・サンタナさんら当時14歳から16歳の5人を逮捕。5人は1990年に有罪となり5年から15年の禁錮刑を言い渡された。
 しかし5人はその後、「24時間以上飲食や睡眠を許されない厳しい尋問を受け、自白は強要された」と主張。別の事件で禁錮33年の刑に服していたマティアス・レイエス受刑者が単独犯行を自供した。同受刑者のDNAも現場に残されたものと一致したことから、2002年に5人の有罪評決は破棄された。