マンハッタン区のセントラルパーク周辺やロウア―マンハッタンに、建築の区画規制(ゾーニング)法の「抜け穴」を利用して建てた、超富裕層向けの超高層ビルが続々と登場している。ニューヨークタイムズが20日、報じた。
ニューヨーク市のゾーニング法は、地域によって建築可能なビルの高さの上限を定めている。しかし構造部や機械設備として使用される階は、その階の高さを問わず、ビル全体の高さから差し引くことができる。こうした法の「抜け穴」を利用した超高層ビルの建設が、同パーク周辺を中心にここ5年ほどで増加しているという。
報道によれば、同区パーク街432番地の高さ1400フィート(約427メートル)、コンドミニアムでは、高さの約4分の1に当たる部分に構造部や機械設備を設置。できるだけ高層の部屋を作ることで、不動産価値を高めているという。同ビルの95階の部屋は昨年12月、3070万ドル(約34億3600万円)で売却された。1平方フィート当たり7592ドル(約85万円)に相当する。一方で同じ月に売却された、中間より下の階の部屋は、同4216ドル(約47万円)だったという。
市議会では、このようにして建てられた超高層ビルを対象として、30フィート(約9メートル)または一般的なアパートの3階分の高さを超える機械設備の階について高さ除外の対象とせず、ビルの高さに加える条例案が提出されている。